沈黙の臓器があげる悲鳴
そのような肝臓の健康を維持するためには、肝臓病の特徴を把握しておき、普段から注意して生活を送る必要があるのです。
それを怠ると、知らずしらずのうちに沈黙の臓器が蝕まれ、気づいたときには手遅れの状態となります。
肝臓の働きと、肝臓病の種類を知り、あなたも実生活に役立てていきましょう。
「私はお酒を飲まないから肝臓は健康なはず」という安直な思い込みは実に危険です。
肝臓の働き
はじめに、肝臓病を知るために肝臓の働きからみていきましょう。
なぜならば、肝臓病は複数の病気の総称であり、症状や原因も多岐にわたるためです。
つまり肝臓の働きを知ることで、あなたがなりやすい肝臓病を知ることができるわけです。
肝臓には主に以下の働きがあります。
- 食事から得た栄養素を体内で利用できる形に変える
- ブドウ糖を蓄える
- アルコールやアンモニアなどの有害成分を無毒化
- 胆汁の作成
- 血を固める凝固因子の作成
このように大まかなものだけでも、肝臓は様々な働きをしています。
一般的にはアルコールの分解作用が注目されていますが、決してそれだけの臓器ではないのですね。
特に重要な働きは一番目に挙げた食事の栄養素を体内で吸収できる形に変えるものです。
つまり肝臓の働きが弱くなると、どんなに食事を摂っても栄養を体に吸収できない場合があるのです。
こうして起こる栄養失調は全身に大きなリスクをもたらします。
このように肝臓は複数の働きを持つ重要な臓器であるため、普段からしっかりとケアしていきましょう。
肝臓病は大きく2つに分けられる
先ほど述べたとおり肝臓病は複数の病気の総称です。
一般的に肝臓病は以下の2つに分けることができます。
- 急性肝疾患
- 慢性肝疾患
そして、急性肝疾患の中には主なものとして以下の病気があります。
- 急性ウイルス性肝炎
- 薬剤性肝障害
これに対して慢性肝疾患の中には以下のような病気があります。
- B型慢性肝炎
- C型慢性肝炎
- 肝硬変
- 肝がん
- アルコール性肝障害
- 自己免疫性肝炎
肝臓の重大な病としてよく取り上げられる肝硬変や肝がんは慢性肝疾患に該当するのですね。
このように一口に肝臓病といっても実に様々な病気が含まれています。
そのため、アルコールを摂取しない場合であっても肝臓の健康には一定の注意が必要です。
以上のように、肝臓は様々な働きをしており、肝臓病という言葉には複数の病が含まれいます。そのためアルコールを飲まないから肝臓は健康という思い込みはときに危険なものとなります。
また肝臓は沈黙の臓器であるため、異常を感知しにくい点に注意が必要です。あなたも普段から自身の肝臓の健康状態には気を配っておいてください。