甲状腺の働きが過度の活発になる
しかしバセドウ病は誰であっても発症する危険があります。
特に女性の発症率は非常に高いため、誰しもバセドウ病について一定の知識を得ておくことは有益でしょう。
バセドウ病は免疫機能に異常が起こる自己免疫疾患の一つであり、リンパ球の異常な働きで甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて起こります。
こうした自己免疫疾患のメカニズムは未だに正確に解明されていませんが、症状などの特徴を知っておき、早期に病気に気づくことのできる態勢を整えておきましょう。
自己免疫疾患としてのバセドウ病
バセドウ病は自己免疫疾患の一つです。
通常、免疫機能は私たちの体を守るために存在しますが、それに異常が起こり自分自身の体を攻撃してしまう場合があるのです。
こうした免疫機能の異常な働きから起こる病気を自己免疫疾患と呼びます。
バセドウ病ではリンパ球が甲状腺に対する抗体を作り出してしまう、それによって甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで以下のような様々な症状を引き起こします。
- 疲れやすさやだるさがある
- 汗が異常に多い
- 脈拍数が多くなる
- 動悸
- 手足がふるえる
- 甲状腺が腫れる
- 口が渇く
- 眠れない
- 眼球が出てくる
このとおり、必ずしもすぐに病気に結び付けて考えることのできる症状ばかりではありません。
そのためバセドウ病は発見が遅くなることもあります。
原因不明だが治療は可能
こうした自己免疫疾患は正確な原因がいまだに解明されていません。
しかし甲状腺ホルモンの過剰分泌が上述した症状を引き起こしていることはわかっているため、その部分に対処することで治療は可能です。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンの量を調整する薬を飲むことから治療を開始し、ときには手術や放射性ヨード治療を用います。
薬物治療の効果には個人差があり、また副作用が強く出てしまう場合もあるのです。
そうした場合は、手術で甲状腺の一部または全部を切除してホルモン量を調整していきます。
以上のように実体のつかみにくいバセドウ病ですが、その正体は甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる自己免疫疾患です。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで様々な症状が引き起こされるのですね。
なぜリンパ球が甲状腺に対する抗体をつくりだしてしまうかは解明されていませんが、ホルモン量を調整することで治療を行うことは可能です。あなたも記事の中で紹介したような症状がある場合は、一度医師の診察を受けてみてください。