自らを病気であると認識しにくい統合失調症
そして、それこそが統合失調症の恐ろしさです。
つまり統合失調症の患者は、自分に幻覚および妄想の症状が出ていることを認識できない場合があるのです。
そのためあらかじめ統合失調症の症状を把握しておくことは有益です。
そうすることで、何も知識を持たない場合よりは自らの病気を認識できる可能性が高まります。
妄想と幻覚の症状
統合失調症に特徴てきな症状は妄想と幻覚です。
幻覚とは、実際に起きていないことがらを感覚としてとらえてしまうものです。
そして統合失調症の場合は、幻聴が最もよく起こります。
つまり周囲に人がいないにも関わらず、人の話し声が聞こえるわけです。
この幻聴は頭の中に実際の声が響くこともあれば、内容のみを把握することもあります。
つづいて妄想とは、周囲の人間からすると明らかに誤りであるものごとを正しいと信じ込んでしまう症状を指します。
たとえば、「街を歩く人の全員が自分を攻撃しようとしている」などと思い込んでしまうのです。
つまりは被害妄想です。
このように統合失調症における妄想と幻覚は実に恐ろしい症状です。
生活障害と病識障害
統合失調症には妄想および幻覚の他に以下の症状があります。
- 生活障害
- 病識障害
生活障害とは、日常生活における一般的な会話や作業が難しくなることを指します。
そのため統合失調症の患者はしばしば「常識がない」「理解力がない」と思われます。
しかし、これはあくまで統合失調症によるものなのです。
病識障害とは、自分が病気であることを理解できないことを指します。
つまり統合失調症においては、妄想・幻覚および生活障害が自らに起きていることを認識できないのです。
そのため治療も難しくなります。
このような統合失調症を治療していくためには、患者自身が自らの病気を理解し、また周囲の人の協力が必要となります。
以上のように、統合失調症の症状は恐ろしいものです。特に自らを病気と認識できなくなる病識障害は、治療を阻む要因となります。これから統合失調症の治療を行おうとする場合は、周囲の協力を得て自らの病気と正しく向き合うことが大切です。
また信頼できる専門医を見つけ、継続的に治療に通うことも重要です。