原因不明、ただしきっかけはある
そのため統合失調症を予防することは実に重要です。
しかし、統合失調症の原因は未だ解明されていません。
遺伝的な要素と環境要因が関係していることはわかっているのですが、根本的な原因がどこにあるかまでは判明していないのです。
そのため原因を理解して、統合失調症を完全に予防することは難しくなります。
しかし前述したとおり関係する要因はあると考えられているため、それを防いでいくことは重要です。
遺伝的な要素も多少は関係している
統合失調症の原因としては、遺伝的な要素も関係しています。
たとえば一卵性双生児は遺伝的に同じ情報を有しています。
しかし、その両者がともに統合失調症となる確率は50%です。
また統合失調症の患者の両親の9割は統合失調症ではありません。
このように遺伝的な要素はあくまで統合失調症の原因の一つでしかありません。
つまり統合失調症という病気そのものが遺伝するのではなく、病気の発症しやすさが遺伝するのです。
ストレスのある環境も原因の一つ
このように遺伝的な要素も原因の一つとなる統合失調症ですが、環境的な要素も原因となります。
もちろん環境についても、特定の場合に必ず統合失調症を発症するといったものはありませんが、一般的に以下のような環境がきっかけとなって発症すると考えられています。
- 進学
- 就職
- 独立開業
- 結婚
- 引っ越し
- 別れ
このように環境の変化は統合失調症の原因の一つとなり得るのです。
今まで認識していた環境が大きく変わり、そこに遺伝的な要素や具体的に感じているストレスが関係して、病気を発症するのです。
特にストレスについては要注意です。
それこそ環境の変化の際には誰でもストレスを受けるものですが、ストレス耐性には個人差がります。
そのため一般的には耐えられるストレスだとしても、それをきっかけとして統合失調症を発症することは十分にあり得ます。
以上のように統合失調症の原因は未だ判明していません。しかし関係するものとして、遺伝的な要素と環境的な要素が挙げられます。これらはあくまできっかけとなるものであり、根本的な原因ではありませんが、特に環境的な要素についてはコントロールできる部分もあるので、注意していきましょう。