脊柱管狭窄症の治療について
脊柱管狭窄症の保存療法
脊柱管狭窄症の初期治療として、保存療法が一般的に採用されます。これには、痛み止め薬の使用、血液循環を改善する薬の投与、ブロック注射、およびリハビリテーションが含まれます。これらの治療は、症状の緩和を目指します。
ブロック注射
「仙骨部硬膜外ブロック」という手法で行われるブロック注射は、尾骨付近から脊柱管内に薬液を注入し、痛みの信号をブロックします。この治療は永続的な効果はありませんが、痛みを引き起こす物質の洗浄や神経の癒着をはがす効果があり、多くの患者において症状の改善が見られます。
薬による治療
痛みの管理には、ロキソニン®、ボルタレン®、バファリン®、カロナール®などの一般的な鎮痛薬が使用されます。また、リリカ®やサインバルタ®などの神経系の薬剤、オパルモン®などの血流改善薬、抗うつ薬なども痛みの管理に有効です。
手術による治療
手術の判断基準
- 保存療法での効果不足
- 日常生活に大きな支障をきたす症状
- 足の動きの悪化や歩行困難
- 「膀胱直腸障害」などの重篤な症状
手術の目的と種類
脊柱管狭窄症の手術は、狭くなった脊柱管を広げることを目的としています。代表的な手術方法には以下のものがあります:
手術方法 | 説明 | 入院期間 |
---|---|---|
PEL | 8mmの切開で行われる脊柱管拡大術 | 1~2泊 |
MEL | 10mmの切開で行われ、複数箇所の狭窄に対応 | 2泊3日 |
PE-LIF | 固定術で、細いスクリューを用いる | 詳細による |
エピドラ | 尾底骨部からの1mm内視鏡で神経周囲の癒着剥離 | 一泊 |
手術後の経過
手術後は通常、10日から2週間の入院が必要です。術後の期間にはコルセットの装着が求められることが多く、日常生活には大きな制限はありませんが、激しい運動や重労働は避ける必要があります。
体位変化による脊柱管狭窄度の影響
脊柱管狭窄症は体の姿勢によって症状が変わります。例えば、立っているときや歩いているときに症状が出現し、前傾姿勢をとることで楽になることがあります。このため、脊椎ドック(脊椎精密検査)を通じて症状に適した治療法を選択することが重要です。
予防と対策
予防方法
脊柱管狭窄症を予防するためには、腰を反らす動作を避けることが推奨されます。また、身体を無理に反らす運動や、症状を我慢しての過度なウォーキングも避けるべきです。
推奨される行動
- 仰向けでの膝抱えストレッチ:脊柱管を拡げ、腰周りの筋肉を伸ばします。
- 症状が悪化しない範囲での軽い運動:ウォーキングや自転車など。
まとめ
脊柱管狭窄症の治療には保存療法やブロック注射、薬物療法が含まれ、手術も症状の進行に応じて選択されます。予防としては、腰を反らす動作を避け、適度な運動を継続することが重要です。
脊柱管狭窄症の治療には保存療法やブロック注射、薬物療法が含まれ、手術も症状の進行に応じて選択されます。予防としては、腰を反らす動作を避け、適度な運動を継続することが重要です。