未だ解明されていない不安障害
そして、不安障害が起こる原因は未だ十分に解明されていません。
そのため原因を日常生活から完全に取り除くことは難しくなっているのです。
ただし不安障害の発症に関係が深いとされるいくつかの要因は存在します。
それらを知ることは、あなたが万が一不安障害に見舞われた際の初動を迅速にすることにつながります。
不安障害の原因と考えられている3つの要因
不安障害をはじめとした精神疾患は、複数の要因が複雑に絡み合うことで起こります。そのため「原因は〇〇〇である」と簡単に断定することができないのです。
以下では、不安障害の原因と考えられている3つの要因について解説します。
脳機能の異常
脳の中にある恐怖神経回路が過剰に活動すると、それが原因となってパニック障害をはじめとした不安障害が起こると考えられています。
恐怖神経回路は正常に働くことで、人の体を危険から守る働きを持ちますが、過剰に活動すると何の危険もないことまで恐怖の対象としてしまい、日常生活を送ることが難しくなるのです。
この神経回路はセロトニン神経によって制御されているため、セロトニンの働きを強める投薬はパニック障害に効果的です。
心理的要因
不安障害には心の働きも大いに関係していると考えられています。
例えば、パニック障害の発作は原因も起こるタイミングも予期できないと考えられていますが。
根底には過去の経験やトラウマ、ストレスが関係しているのではないかと考えられています。
つまり本人が過去の経験やトラウマを意識していないだけかもしれないのです。
こういったことからパニック障害については、原因を特定するための問診が重要視されます。
社会的要因
不安障害の原因としては社会的な要因も存在します。
例えば、日本では周囲から浮き上がらないための同調を強く求められますが、それは対人恐怖症を生む原因であるといわれていました。
このように特定の社会やコミュニティに共通する文化や習俗が不安障害に結び付いていることがあります。
以上のように、不安障害の原因は多岐にわたり、特定のものを簡単に見極めることが難しいのが現状です。そのため不安障害を発症した際は、根気強く専門医のもとに通い、何があなたを不安にさせているのか解明していく必要があるでしょう。